06:for Umeda
阪神・阪急・JR…どれも梅田駅を通る鉄道には、必ず「梅田行き(大阪行き)」の設定がある。
阪神・阪急は駅自体が終点ということもあり、日常的に見られる光景だ。
JRも本数こそ前者には劣るが、それでも朝・夕を中心に比較的多くを見ることが出来る。
だが、御堂筋線の梅田行きは一日わずか2本、それも終電の時間にしか運行されない珍しい行先である。
阪急阪神は、梅田駅を自社内で最も位が高い、「ターミナル駅」として開業させた。
小林一茶氏の阪急百貨店梅田本店における、「ソーライス」にまつわるエピソードなどは関西私鉄の歴史を語る中でも話題のエピソードである。
省線大阪駅も、通過型といえど、ターミナル駅であったことには間違いない。
もちろんそれは大阪市営地下鉄にとっても同じなのだが、
なにわの人々は決して、梅田だけが大阪なのではないことを知っている。
何も梅田だけ特別扱いしなくたって、大阪には難波や天王寺、京橋など素敵な繁華街はたくさんある。
そんな気持ちが、日常的ではない大阪市営の梅田行きの設定につながっている、のかもしれない…。
(実際には折り返し留置線のある中津・新大阪への送り込み回送列車を旅客化したものなのだとか。)